資本的支出 CAPEX

株式評価(DCF法)においては、フリーキャッシュフロー算定の際に使用され、NOPLAT(みなし税引後営業利益)から事業に関連した設備への投資額は控除されなければならない。投資額であるため、通常はNOPLATに対するマイナス項目となるが、設備の売却があった場合にはCAPEXの全体額がプラス項目となりうる。なお、エクセル等で計算式が組み込まれている場合、資本的支出は支出項目のためマイナス式が組まれていることもあり、この場合CAPEXがプラスとなった場合はマイナス入力となり注意が必要である。

CAPEX(Capital Expenditure)とは、資本的支出のことであり、事業用の有形固定資産/無形固定資産/投資その他の資産への投資額を指す。単なる修繕費ではなく、当該資産の価値や耐用年数を伸ばすための支出をいう。

保有していた事業用の償却資産を売却し、新品を購入した場合、その購入した金額は損益計算書には反映されず貸借対照表に資産として計上され、各期の減価償却費として損益計算書に費用化されていく。損益計算書から算定されるフリーキャッシュフローの計算過程において、減価償却費は各期にキャッシュフローを発生させないため、各期のNOPLATに対して足し戻しを行う。CAPEXは減価償却費と同様、NOPLATへの調整項目であり、支出した事業年度に購入金額をNOPLATから控除する。また、設備の売却が発生した場合は、売却年度に売却金額をNOPLATへ加算することになる。

なお、事業に関連して保有する投資その他の資産に関しても、CAPEXとしてNOPLATにその投資(売却)時に減産(加算)を行う。