キャッシュフローの現在価値

企業価値は企業の生み出すキャッシュフローの現在価値で算定される。現在のキャッシュフローの価値と、将来受け取るキャッシュフローの価値は異なる。将来受け取る100万円の価値は、現在100万円とは限らない。利子率5%の下で2年後に受け取る100万円は、現在90.7万円である。
株式評価(DCF法)において、キャッシュフローは、将来予測期間とそれ以降に分けて検討するが、将来予測期間分は、予測財務諸表を使用し、それ以降は継続価値を使用して算定する。ここでは、将来予測期間n年のキャッシュフローの現在価値に関して触れておく。将来予測期間n年のキャッシュフローの現在価値は割引率(r)を使用して以下の算式で算定される。

PV:n年間のキャッシュフローの現在価値の総和

FVn:n年目のキャッシュフローの将来価値

キャッシュフローの現在価値に関して、簡単な例でみてみると、毎年100万円を割引率5%で3年間運用した場合の現在価値は、以下の式の通りとなる。

キャッシュフローの現在価値の算定は、株式評価における基礎的な事項であり、DCF法の一種であるフリーキャッシュフロー法(終価のないケース)は、上記算式を使用して算定される。