負債コストの計算

株式評価(DCF法)において、負債コストの計算における負債とは、有利子負債をさし、短期借入金、長期借入金、社債が主なものである。負債コスト(借入金利)はデフォルト率に依存し、デフォルトする確率が低ければ格付けは高く、デフォルトする確率が高ければ格付けは低い。格付けが高い場合、低い金利で社債を発行もしくは借入金を調達でき、逆に格付けが低ければ、社債発行時、借入時の金利が高くなる。

負債コストの計算において、評価対象会社の実際の金利の加重平均を使用する方法と、評価対象会社あるいは同等の会社の格付けによる利回りを推定して利用する方法がある。金利の加重平均を使用する場合、親会社からの借り入れや担保などの紐づけがある借入れでは金利が低く抑えられており、負債コストとしてそのまま採用することが難しい。対象会社が格付けを取得している場合、その格付けから市場における社債の利回りを推定できるが、対象会社が格付けを取得していない場合、同等の会社(類似会社)の格付けをもとに、格付けから利回りを推定する。

負債コストはWACCに織り込まれることにより評価結果に反映される。負債コストの節税効果はWACCにおいて発現する。