NOPLATの計算

株式評価(DCF法)において、企業価値は将来予測期間のフリーキャッシュフローを割り引くことにより算出される。この際使用されるフリーキャッシュフローは各期の事業計画から算出されていく。その最初のステップとして損益計算書からNOPLATを求める。なお、NOPLATは事業計画から算出される予測値だけでなく、実績の損益計算書から算出された実績値にも利用される。

NOPLATとは、みなし税引き後営業利益(Net Operating Profit Less Adjusted Taxes)のことである。NOPLATを算定するには、まず損益計算書からEBITを算定するが、EBITとは利息前・税引前利益(Earnings Before Interest, Taxes)のことである。EBITの算定に営業利益を使用する場合、営業利益は税引前なので、控除されている利息項目を足し戻す。NOPLATは、このEBITから実効税率を使用して算定された税金額を控除してこれを求める。

なお、当期純利益からNOPLATを算定する場合は、当期純利益が税引後の数値であるため、税引後利息項目を調整し、税引後の営業外損益項目、税引後の特別損益項目を足し戻すことになる。

株式評価(DCF法)において、企業価値は将来予測期間のフリーキャッシュフローを割り引くことにより算出される。この際使用されるフリーキャッシュフローは各期の事業計画から算出されていく。その最初のステップとして損益計算書からNOPLATを求める。なお、NOPLATは事業計画から算出される予測値だけでなく、実績の損益計算書から算出された実績値にも利用される。

なお、連結財務諸表を使用する際は、ボトムラインの親会社株主に帰属する当期純利益からスタートした場合、非支配株主持分に帰属する純利益を足し戻す必要がある。また、繰越欠損金が存在する場合、タックスシールドが見込めるため、そのスケジュールを組み、発生年度と繰越欠損金の使用、解消年度を確認する必要がある。将来予測期間に税引前当期純利益が想定されている場合、当該年度において繰越欠損金が消滅するまで充当させる。

なお、EBITの算定に当期純利益を使用する場合、こちらは税引き後の数値のため、税金額を足し戻し、利息項目を足し戻す。NOPLATの前提としては、これに加えて特別損益項目及び利息項目以外の営業外損益項目の足し戻すことが必要である。本来、EBITは当期純利益に対する調整を意味するが、実務上NOPLAT算定のためには、損益計算書上の利益ラインは正常化営業利益(Normalized Operating Profit)が必要となるためである。